生活習慣病
生活習慣病とは?

「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が、その発症・進行に関与する症候群」を指します。
代表的な疾患である高血圧症、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、喫煙やメタボリックシンドロームとともに、動脈硬化を進行させることが知られています。
急性心筋梗塞、狭心症などの虚血性心疾患や脳卒中などの動脈硬化性疾患は、日本における主要な死亡原因であると同時に、平均寿命と健康寿命の乖離の大きな原因となっています。
また動脈硬化性疾患は、生活習慣の改善、早期治療により一定の予防が可能な疾病であるにもかかわらず、国民の生命と健康にとって重要な問題となっており、社会的にも多大な影響を与えています。たとえ自覚症状がなくても動脈硬化性疾患の発症、
再発予防として生活習慣病への治療介入は重要です。
高血圧症

高血圧の「降圧目標」の変更
日本高血圧学会より、6年ぶりとなる新しい「高血圧管理・治療ガイドライン2025」が発表されました。
今回の改定では、将来の脳卒中や心筋梗塞などのリスクをより減らすため、年齢や持病に関わらず、原則として全員一律の目標値が設定されました。
新しい管理目標値
- 診察室血圧: 130 / 80 mmHg 未満
- 家庭血圧: 125 / 75 mmHg 未満
高血圧は自覚症状がほとんどありません。だからこそ、毎日の「家庭血圧」を知ることが健康を守る第一歩です。
当院では循環器専門医が最新のガイドラインに基づき、患者様お一人おひとりの生活スタイルや健康状態に合わせた最適な治療・生活習慣の改善をご提案しております。
降圧目標(高血圧管理・治療ガイドライン2025)
| 診察室血圧 (mmHg) | 家庭血圧 (mmHg) |
|---|---|
| <130/80 | <125/75 |
*高値血圧(診察室血圧130~139/80~89mmHg)で脳心血管病の発症が低・中等リスクの場合(脳心血管病の既往や糖尿病を伴わないような場合)は生活習慣の改善を強化する。
*めまい・ふらつき・立ちくらみ・倦怠感・失神などの症候性低血圧、起立性低血圧、急性腎障害、高カリウム血症などの電解質異常といった有害事象の発症に注意しながら降圧を進める。

Cure App HT
最新の「高血圧治療アプリ」を導入しています
今回のガイドラインでは、生活習慣の改善を後押しする新しい選択肢として、スマートフォンを活用した「治療用アプリ(デジタル療法)」が初めて公式に推奨されました。当院では、この保険適用が認められた高血圧治療アプリの処方に対応しております。
- 医師の指導のもと、毎日の行動変容(減塩や運動など)をアプリが優しくサポート
- 「お薬だけに頼りたくない」「生活習慣をうまく変えられない」という方に最適です
費用について ―
| 1ヶ月目 | 2,520円 |
|---|---|
| 2ヶ月目~6ヶ月目 | 2,370円/月 |
※3割負担の場合の金額です。
※診察代、処方箋代、検査代など通常かかる費用とは別になります。
アプリのご利用開始について ―
| 生活習慣病で当院にて治療中の方 | 再診日からアプリをご利用いただけます。 |
|---|---|
| 初診の方 | 受診した翌月からご利用開始となります。 ※ご注意:初診時は、診療報酬のルール上、アプリの処方ができません。再診時に処方します。 |
糖尿病

糖尿病は、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高くなりすぎる病気です。
初期には症状がほとんどありませんが、進行すると動脈硬化が進み、脳卒中(脳梗塞・脳出血)や虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)になりやすくなります。
糖尿病の方は糖尿病でない方と比較して虚血性心疾患の頻度が2~4倍高く、糖尿病は血圧,コレステロール,喫煙等のよく知られた危険因子2個分に相当することが知られています。
またまた慢性的な高血糖は3大合併症として、網膜症、腎症、神経障害などの細小血管合併症や脳梗塞、心筋梗塞窓の大血管合併症(心筋梗塞・脳梗塞・閉塞性動脈硬化症)の危険因子です。失明や透析につながる病気でもあります。
血糖値の管理のみならず動脈硬化のリスク管理、
心臓病の発症予防および再発予防など循環器専門医の立場からトータルマネージメントを行ないます。
脂質異常症

血液中の脂質の値が基準値から外れた状態を、脂質異常症と称します。
脂質の異常には、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)、HDLコレステロール(善玉コレステロール)、トリグリセライド(中性脂肪)の血中濃度の異常があります。
これらはいずれも、動脈硬化の促進と関連します。特に高LDLコレステロール血症の治療により虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)が減少することが明らかになっています。
頸動脈の内中膜厚(Intima-media thickness :IMT)は全身の動脈硬化の程度の反映ないしは動脈硬化性疾患(狭心症・末梢動脈疾患、脳血管障害など)の合併や発症リスクの予測の代替評価指標として用いられます。
頸動脈超音波でIMT測定が可能ですのでご希望ある方はいつでもご相談下さい。動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版

| 治療方針の原則 | 管理区分 | 脂質管理目標値(mg/dL) | |||
|---|---|---|---|---|---|
| LDL-C | Non-HDL-C | TG | HDL-C | ||
| 一次予防 (まず生活習慣の改善を行った後 薬物療法の適用を考慮する) | 低リスク | <160 | <190 | <150(空腹時)*** <175(随時) | ≧40 |
| 中リスク | <140 | <170 | |||
| 高リスク | <120 <100* | <150 <130* | |||
| 二次予防 (生活習慣の是正とともに 薬物治療を考慮する) | 冠動脈疾患または アテローム血栓性脳梗塞 (明らかなアテローム****を伴う その他の脳梗塞を含む)の既往 | <100 <70** | <130 <100** | ||
- *糖尿病において、PAD、細小血管症(網膜症、腎症、神経障害)合併時、または喫煙ありの場合に考慮する。
- **「急性冠症侯群」、「家族性高コレステロール血症」「糖尿病」、「冠動派疾患とアテローム血栓性脳梗塞 (明らかなアテロームを伴うその他の脳梗塞を含む)」の4病態のいずれかを合併する場合に考慮する。
- 一次予防における管理目標達成の手段は非薬物療法が基本であるが、いずれの管理区分においてもしDIDLCが180mg/dL以上の場合は薬物治療を考慮する。家族性高コレステロール血症の可能性も念頭に置いておく。
- まずIDL-Cの管理目標を達成し、次にnon-HDL-Cの達成を目指す。LDL-Cの管理目標を達成してもnonHDL-Cが高い場合は高TG血症を伴うことが多く、その管理が重要となる。低HDL-Cについては基本的には生活習償の改善で対処すべきである。
- これらの値はあくまでもも到達努力目標であり、一次予防(低、中リスク)においてはLDL-C低下率20~30%も目標値としてなり得る。
- ***10時間以上の絶食を「空腹時」とする。ただし水やお茶などカロリーのない水分の摂取は可とする。それ以外の条件を「随時」とする。
- ****頭蓋内外動脈の50%以上の狭窄、または弓部大動脈粥種(最大肥厚4mm以上)
メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームとは、
内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさることにより、
心臓病や脳卒中などになりやすい病態を指します。
単に腹囲が大きいだけでは、メタボリックシンドロームにはあてはまりません。
ウエスト周囲径(へその高さの腹囲)が男性85cm・女性90cm以上で、かつ血圧・血糖・脂質の3つのうち2つ以上が基準値から外れると、「メタボリックシンドローム」と診断されます。
動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版
| ウエスト周囲長 | 男性≧85cm 女性≧90cm |
| (内臓脂肪面積 男女ともに100cm2に相当) | |
|---|---|
上記に加え以下のうち2項目以上
| 高トリグリセライド血症 | ≧150 mg/dL |
|---|---|
| かつ/または | |
| 低HDL コレステロール血症 | <40 mg/dL 男女とも |
| 収縮期血圧 | ≧130 mmHg |
|---|---|
| かつ/または | |
| 拡張期血圧 | ≧85 mmHg |
| 空腹時高血糖 | ≧110 mg/dL |
|---|
高尿酸血症(痛風)

高尿酸血症とは、血液中の尿酸が高い状態のことです。
痛風や尿路結石、腎障害の原因となるほか、高尿酸血症がある人では、肥満や高血圧、脂質異常症、高血糖を複合的に合併することが多くなっています。
プリン体の摂取、肉類や内臓類の摂取、飲酒、激しい筋肉運動、果糖の摂取、ストレス、肥満などが尿酸産生過剰や排泄低下を招く環境要因として知られています。
