心不全発症予防のために

心不全とは『心不全とは心臓の機能が悪いために息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気』です。心不全発症前の無症状期とは高血圧、糖尿病、肥満などの生活習慣病といった心不全の危険因子を持つ方、また弁膜症、BNP/NT-proBNPといった健康診断で異常を指摘された人も含まれます。高血圧、糖尿病,脂質異常症(生活習慣病)などの病気や、肥満、喫煙、運動不足などの生活習慣の乱れは直接心臓とは関係ないように感じるかもしれませんが、これらは冠危険因子と言われ、狭心症や心筋梗塞の発症リスクが高まり、心不全の予備群となります。心不全が安定している場合は、かかりつけ医での診療も可能ですが、病状の進行、変化がある場合は,循環器内科専門医の診断や治療が必要になる場合もあります。主治医の指示に従い、定期的な診察・治療を欠かさず受けましょう。
*2025年改訂版 心不全診療ガイドライン 転載
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9月9日は救急の日

救急車の平均到着時間は約10分といわれています。心停止から1分ごとに、救命率は7~10%下がります。その間に、あなたに出来ることがあります。
一般市民の方による迅速な救急通報、迅速な救急蘇生(心肺蘇生や気道異物除去等)は、救急隊や医療機関での処置と比べて、心停止患者の救命、社会復帰に、より大きく貢献するといわれています。自分の大切な家族、友人、そして隣人が突然倒れたとき、勇気を持って覚えていることを実施してあげてください。日本医師会から転載
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人生の3割は睡眠!

睡眠は子供、成人、高齢者の健康増進・維持に不可欠な休養活動です。良い睡眠は、心血管、脳血管、代謝、内分泌、免疫、認知機能、精神健康の増進・維持に重要であり、睡眠が悪化することで、これに関連したさまざまな疾患の発症リスクが増加し、寿命短縮リスクが高まることが報告されています。睡眠中に10秒以上の無呼吸・低呼吸(呼吸が浅く・弱くなる状態)が1時間に5回以上認められた場合、睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)と診断されます。SASは狭心症や心筋梗塞、脳出血や脳梗塞を合併する頻度が高く、生活習慣病の発症リスクとなります。ご家族から『いびきがひどい』『呼吸が止まっていた』と指摘されたり、『日中の眠気・倦怠感』の自覚がある方は1度ご自宅で可能な簡易検査をお勧めします。
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心不全

高齢化社会に伴い、心不全患者が増加の一途をたどっています。BNP/NT-proBNPは心不全の診断、重症度、予後予測のバイオマーカーとして心不全のガイドラインで推奨されています。そこで心不全への早期発見・介入のためにも循環器専門医に紹介する基準値の変更が大きく引き下げられました。
BNP100pg/mL→35
NT-proBNP400pg/mL→125
またBNP35-100 pg/mL、NT-proBNP125-300 pg/mLまでを「前心不全(心臓機能障害があるが心不全症状・兆候がない)または心不全の可能性がある」と定義されました。
健康診断、人間ドックで指摘された際には心臓超音波での精査や悪化予防のための早期介入につながることもあるのでご相談ください。
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狭心症・心筋梗塞

心臓の筋肉に、酸素や栄養を含む血液を送り込んでいるのが、心臓のまわりを通っている冠動脈という血管です。
動脈硬化とは、老化に伴い血管が硬くなり、血管の壁に脂肪などの固まり(プラーク)が蓄積して、血管の内腔が狭くなっている状態です。
心筋梗塞・狭心症の病態を総称して「虚血性心疾患」と呼びます。近年、日本の食生活の変化などにより、虚血性心疾患の増加が指摘されています。
労作時胸痛や息切れなどを自覚される方は狭心症の可能性もあり、循環器内科専門医、カテーテル治療専門医もおり的確な検査が可能ですのでいつでもご相談ください。

薬だけじゃない高血圧治療

飲酒、運動不足も高血圧の原因です。高血圧は喫煙と並んで、日本人にとって最大の生活習慣病リスク要因となります。
高血圧を指摘されていても内服治療に抵抗ある方は、まずは薬事承認された高血圧治療補助アプリのCure Appを用いることで、高血圧治療の基本でありながら実際は難しい生活習慣の修正を支援することが可能となります。
高血圧治療プログラムと医師の診療で、患者さんだけでは難しい生活習慣の改善を支援し、高血圧を治療します。保険診療で最大6ヶ月利用できるプログラムです。ご希望ある方はいつでもご相談下さい。